寄与分が認められるのはどのような場合ですか。

Q&A 遺産分割のQ&A

質問寄与分が認められるのはどのような場合ですか。

「・特別の寄与とは」をご覧下さい。
・特別の寄与とは
特別の寄与とは,相続人が,特別な貢献をして,相続財産の減少を防いだり,相続財産を増加させた場合には,その貢献が認められた分の財産を,その相続人の相続分に加える制度のことを言います。相続人は,被相続人に対して,扶養義務を負っていますので,通常の貢献では,特別の寄与には該当しません。
・寄与の種類・類型としては,つぎのような物があります。
長男が被相続人の事業や農業を無償で手伝ってきた(事業従事型)
二男が被相続人の事業に資金提供をした(財産出資型)
被相続人の二女が仕事をやめて入院中の付き添いをしてくれた(療養看護型)
長女だけが被相続人を引き取って面倒を見ていた(扶養型)
三男が被相続人の賃貸不動産を無償で管理していた(財産管理型)

特別の寄与が認められるポイントとしては,
・「無償」であること
・3~4年以上の期間「継続」していること
・事業や介護を「専従」で行っていること
が挙げられます。決してハードルは低くはありません。

もし,あなたが将来寄与分の主張をすることが予測できる場合には,看護日誌や出納帳を付けておくことをお勧めします。

なお,これまでは,特別の寄与は,相続人にしか認められませんでしたが,平成30年の民法改正で,特別寄与請求権が創設され,無償の療養介護や無償で事業・家業の手伝いをした場合には,相続人でなくても寄与分が認められるようになりました。ただし,「相続の開始および相続人を知ったときから6か月以内」または「相続開始のときから1年」という期限がありますので,ご注意ください。

-Q&A, 遺産分割のQ&A

お問合せ
初回相談60分無料
遺言書無料診断

関連記事

他の相続人が受領した生命保険金についても遺留分の請求をすることはできますか。

生命保険金は、初めから受取人が指定されている場合には、生命保険は相続財産ではないので、遺留分の請求をすることはできないのが原則です。 ですので、遺留分対策として、生命保険を活用することは有用なのです。 …

遺言書がある場合には、遺言書と異なる遺産分割はできないのですか?

遺言書が存在している場合には,原則として遺言書に拘束されますので、これに従って相続をすることになります。 ただし、相続人全員が遺言書とは異なる遺産分割の仕方をすることに合意した場合には、改めて遺産分割 …

遺言書を書く場合に、気をつけるポイントはありますか?

特に、自筆証書遺言を作成する場合には、法律の形式を守る必要があります。 具体的には、遺言書全文を手書きで書くこと(※財産目録については、民法改正で一定の様式のもとで、ワープロで作成が認められることにな …

遺産分割協議書を作成してしてしまいましたが,内容が腑に落ちません。遺産分割協議のやり直すことはできますか。

きちんと相続人全員で遺産分割協議を作成している場合には,原則として,遺産分割協議のやり直しはできません。 ただし, ・遺産分割協議の際に,相続人の一部が漏れていた場合 ・親子とともに相続人であるにもか …

遺言書には預貯金の額まで記載しなければいけないのでしょうか?

いいえ。預貯金の額までは書く必要は必ずしもありません。 預貯金は、遺言書を作った後も増えたり減ったりしますから、書く意味があまりないですよね。 なお、公正証書遺言を作成する場合には、その公証人の手数料 …

お問合せフォーム ルネサンス電話