遺産分割審判に不服がある場合どうすればよいですか。

Q&A 遺産分割のQ&A

質問遺産分割審判に不服がある場合どうすればよいですか。

遺産分割の審判は,話合いである調停と異なり,裁判所が証拠に基づいて遺産分割の方法を決定する手続です。
もし,審判の決定に納得できないという場合には,審判の決定書を受け取った日から2週間以内に即時抗告を行う必要があります。即時抗告の抗告状の宛先は高等裁判所宛ですが,抗告状自体の提出先は,審判のなされた家庭裁判所ですので,注意しましょう。
抗告状は,期間制限がありますので,原審の決定には不服があるので,即時抗告を申し立てるということを書いておけば,具体的な不服の理由を書く必要は必ずしもありません。抗告状に理由を書かなかった場合には,抗告状を提出した日から2週間以内に,抗告理由書を提出する必要があります。抗告状の提出期限とは異なり,抗告理由書については,2週間経過後の提出でも受け取ってもらえることがありますが,期間の徒過はしないように気をつけましょう。
即時抗告の場合,抗告を受けた裁判所は,抗告人にとって原審よりも更に不利な判断をすることも可能ですので,その点は注意が必要です。

即時抗告の決定に不服があるが場合には,更に,最高裁判所に対する許可抗告という手続きがあります。ただし,許可抗告は,抗告の決定に判例と相反する判断があるとか,法令の解釈に関する重要な事項に関する判断がある場合に認められるものであり,非常にハードルが高いです。

-Q&A, 遺産分割のQ&A

お問合せ
初回相談60分無料
遺言書無料診断

関連記事

遺言書を書く場合に、気をつけるポイントはありますか?

特に、自筆証書遺言を作成する場合には、法律の形式を守る必要があります。 具体的には、遺言書全文を手書きで書くこと(※財産目録については、民法改正で一定の様式のもとで、ワープロで作成が認められることにな …

そんなに資産がない場合、遺言書は不要だと思うのですが?

そのようなことはありません。 例えば、現在家庭裁判所に継続している遺産分割の事件のうち、その4分の3が、相続財産総額5000万円以下です。 また、万が一、遺産がほとんどゼロに等しいような場合でも、逆に …

認知症の疑いがあっても遺言できますか?

認知症の疑いがあっても、遺言書を作成できる可能性は十分にあります。 遺言を作成するためには、自身の財産や権利・身分関係がどうなっているのかを踏まえて、誰に何を相続させたりどういう効果を発生させるのが良 …

調停での話合いがまとまらない場合は,どうなるのですか?

遺産分割の審判に自動的に移行します。審判は,調停とは異なり,裁判官が証拠に基づいて判断しますので,一定の結論がそこで出ます。もっとも,遺産分割のような家族観の問題については,可能な限り,当事者の話合い …

他の相続人が受領した生命保険金についても遺留分の請求をすることはできますか。

生命保険金は、初めから受取人が指定されている場合には、生命保険は相続財産ではないので、遺留分の請求をすることはできないのが原則です。 ですので、遺留分対策として、生命保険を活用することは有用なのです。 …

お問合せフォーム ルネサンス電話