他の相続人が受領した生命保険金についても遺留分の請求をすることはできますか。

Q&A 遺留分のQ&A

質問他の相続人が受領した生命保険金についても遺留分の請求をすることはできますか。

生命保険金は、初めから受取人が指定されている場合には、生命保険は相続財産ではないので、遺留分の請求をすることはできないのが原則です。
ですので、遺留分対策として、生命保険を活用することは有用なのです。

ただし、「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が同情の趣旨に照らして到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、…特別受益に準じて持ち戻しの対象となる」とした最高裁判例があります(最決平16.10.29・判例タイムズ1173号199頁参照)。
ですので、例えば相続財産を大きく超えるような生命保険を特定の相続人に受け取らせているような場合には、その生命保険も遺留分の対象となる可能性があります。

なお、受取人が指定されていない場合や相続人とされている場合、被相続人自身を受取人としているような生命保険については、その保険金は相続財産になりますので、当然遺留分の対象となります。

-Q&A, 遺留分のQ&A

お問合せ
初回相談60分無料
遺言書無料診断

関連記事

遺産分割協議が成立した後,新たに見つかった遺産はどうなるのですか。

これは,遺産分割協議書でどのようなどのように決めているかということによります。 私達が遺産分割協議書を作る場合には,後日発見された財産をどうするかということも条項に入れます。方法は大きく分けて2とおり …

寄与分が認められるのはどのような場合ですか。

「・特別の寄与とは」をご覧下さい。 ・特別の寄与とは 特別の寄与とは,相続人が,特別な貢献をして,相続財産の減少を防いだり,相続財産を増加させた場合には,その貢献が認められた分の財産を,その相続人の相 …

遺留分を一度放棄してしまうと遺産を一切相続できなくなるのでしょうか。

いいえ。遺留分を放棄したとしても、相続分の放棄とは別ですから、相続することができなくなるわけではありません。 ただ、例えば、遺留分の生前放棄をするような場合(民法1049条)には、他の相続人(ら)に財 …

遺言書作成に掛かる費用って、どれくらい?

私たちの事務所では、基本的なものであれば、遺産の総額に応じて税別10万円から20万円で承っております。 複雑な内容になる場合には、その内容に応じて個別に見積もりさせていただきます。 公正証書遺言を作成 …

遺産の中に預貯金がある場合にはどのようになりますか。

預貯金は,法律上は,銀行等との間の消費寄託契約に基づく預貯金払戻請求権という金銭債権にあたります。そして,金銭債権は,金銭債権・債務は,一般的には,遺産分割を待たずに,相続開始と同時に,当然に各共同相 …

お問合せフォーム ルネサンス電話